車椅子 ブレーキ延長

皆生みどり苑は特別養護老人ホームです。
入居要件として「要介護3以上」があります。

「要介護3」はどのような状態かと申しますと、

ひとりでできないことが増え、中程度の介護が必要な状態です。

排泄、立ち上がり、みだしなみや掃除などの日常生活がひとりではできません。また、歩行や両足での立位保持など、移動の動作についてもひとりでできないことがあります。

また、認知症によるいくつかの問題行動や理解の低下がみられることがあります。 

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☆実際には要介護認定を受けてから介護度が決定します。個人個人の状態によって変わってきます。ご心配な方はお近くの自治体や地域包括支援センターまで相談をお願いします。

 

要介護3以上の方は基本的に車椅子が必要な方が殆どになります。
そこで問題になってくるのが【車椅子ブレーキの長さ】です。

立ち上がりも難しくなってこられるので、手を前に伸ばす動きも難しくなられます。そうすると車椅子ブレーキまで手が届かなくなるのです。

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いろいろな方法を試してみました。
一般的で手頃なものはズバリ、【ラップの芯】ではないでしょうか。
30cm以上のものならブレーキは伸びます。

 

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…もともとのブレーキの頭が干渉してしまっています。
キュキュッと回しながら上に引き上げると取れるので取ってしまいます。

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ここに先程のラップの芯を差すと…

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元のブレーキから10cmくらい伸びました。

このラップの芯、便利なのですが、紙製なので汚れると掃除が大変なのと、長く使っているとどんどん破れてくるのです。

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ですので、考えました。なにか安くて良い市販品はないか、と。

たどり着いたのはいくつかあります。

1つ目はこれ。

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突っ張り棒です。
端を外して

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設置!

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突っ張り棒なので長さも伸びます。

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100均で太さが太めのもの、長さは30cm以上のものであれば使用できるのではないでしょうか。

 

2つ目はこちら。

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車椅子ブレーキ 延長棒 延de棒(エンデバー) です。

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取り付け用ゴムには切れ目が入っているので、ブレーキの頭を付けたままはめ込みます。

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本体を差し込めばこの通り。

そして、お気づきでしょうか。長さ調整ができるのです。

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3段階で伸ばすことができます。

 

ここまでブレーキ延長についてお伝えしてきました。
ここまで伸びればご自分でブレーキ解除をすることができます。
解除してみましょう!

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延長していますが、かなり遠くに先端が行ってしまいます。
このまま伸ばしても端は遠くに行くだけ…。

せっかく伸ばしたブレーキですが、かけることができないと車椅子からの転倒転落の危険因子となってしまいます。
ご自分でブレーキをかける方、どのようにかけていただきましょうか…。

 

実際に解決に向かっている事例があります。

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紙管とジョイントを組み合わせて、曲げてみました。
力がない方でも、紙管に指を引っ掛ければ軽い力でかけることができます。

紙なので汚れには弱いです。
将来的には何かしらのパイプで自作できればと考えています。それまではこちらで様子を見させていただければと思っています。