靴についてのエピソード

年齢を重ねられると、いろいろなところに変化が見られてきます。

いろいろな病気によっても変化が見られてきます。

代表的なものはいくつかありますが、今回紹介したいのは「靴」です

むくみや外反母趾、爪や足趾、足自体の変形のため、いわゆる「普通の靴」が履きにくくなります。
そのため、「どんな靴を準備したら良いですか?」という相談を受けることが多くなりました。

 

今、靴屋さんや薬局に行くと「介護靴コーナー」ができているところを見かけます。
当施設近くであれば

ちょっと離れますが

などなど。探すとたくさんあります。
また、通販サイトで「介護靴」と検索してもたくさん出てきます。
メーカー直販もされています。

代表的なところは

もちろん、他にもたくさんあります。
メーカーさんはカタログを出しておられるので、カタログ通販をおすすめすることも多々あります。

 

以前に相談を受けた方で、悩みながら靴を選んだことがあります。
持病のため、以前履いておられた「普通の」スニーカーが入らないほど足が腫れてしまい、靴ずれや痛みがあり歩くのが難しくなられた方です。

靴は自分で履くことができ、杖で歩かれていました。

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*腫れのイメージ。ネットにあった参考画像です。*

 

 

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*スニーカーイメージ。ネットにあった参考画像です。*

 

 

「なんとかして歩きたい。歩いてトイレに行きたい」

というご本人の思いもありました。

ここまで腫れてしまうと、介護靴の中でも素材が柔らかい「室内履き」に分類されるものを選ぶことが多いですが、室内履きは靴底が滑りやすく、靴底も含めて全体的に柔らかいため歩きにくいという欠点があります。

特にこの方はむくみのため足首が起きにくく、立ち上がり時に滑って転ばれる危険性が高い方でした。

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*室内履きイメージ。ネットにあった参考画像です。*

 

 悩みながら色々探したところ、モックシューズに出会いました。
モックシューズとは明確な定義はありませんが、紐や金具がなく、簡単に脱ぎ履きできる靴で、アウトドアによく使われています。とても軽く、滑りにくい作りになっています。

 

このときにおすすめしたのはこちら。

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靴底はラバーで、施設特有の滑りやすい床でもきちんとグリップします。
履き口も広く、浮腫があっても指1本入る程度の隙間はありました。
一緒に出かけ、サイズは選ばせていただきましたが、色はご自分で選ばれました。
自分で選ばれる機会が少なくなっている中でお気に入りの1足を見つけ、嬉しそうにされていました。

価格は定価で3000円程度でした。

施設に入ったから介護靴…ではなく、その方の状態に合うもの、好きなものをおすすめできたら、と思います。