褥瘡予防研修

昨日、アイ・ソネックス株式会社様よりご来苑いただき、褥瘡予防研修を行いました。

座学半分、実技半分の1時間でしたが、あっという間に終わってしまい、写真が1枚も撮れておりません・・・。それほど充実した研修でした。

 

さて。アイ・ソネックス株式会社といえば、介護職なら誰しも1度は見たことがあるはずの緑の三角、皆さんご存知のナーセントパットを販売しておられる会社です。 

www.nasent.net

 

今回の研修にあたって、最初に

  • クッションの当て方を学ぶのではなく、どのようにしたらご利用者が楽に過ごすことができるのか、その理由を知ること。
  • 姿勢ケアを行っている理由をご家族等に説明できるようになること

を目指してほしい、と話されました。

 

今回は褥瘡予防研修ですが、そもそもポジショニング、姿勢ケア、と言われるものには

  • 褥瘡予防
  • 食事を摂りやすくなる
  • 呼吸がしやすくなる
  • 拘縮予防

などなどの目的があります。

今回は褥瘡予防に重点をおいたベッド上での姿勢保持方法を中心に学びました。

 

今までの現場では、おそらく漫然と、おざなりに行っていたと思われる姿勢ケア。
目から鱗がポロポロとこぼれ落ちている現場に久しぶりに立ち会いました。

 

ここで、いくつかクイズです。◯✕でお答えください。

  1. ベッドは基本的にフラットで使用する。
  2. ベッドに寝る位置は上下中央を目安にする
  3. 足に使うクッションは膝下にあれば良い
  4. 姿勢保持用のクッションは体の隙間を埋めるように使う。
  5. 背臥位で臀部にナーセントパットを使用するときはまっすぐ、背骨と平行になるように臀部に差し込む。

いかがでしょうか。

感のいい方ならお気づきだと思います。すべて【✕】です。
体感していただくと分かるのですが、1~5,すべてこの通りに行うとかなり辛いです。

  1. ベッドは基本的に5°~10°頭側を上げて使用する
    一旦頭を上げたベッドをおろしていくと、ある程度の高さで「真っ直ぐになった」と感じます。そのまま下ろすと頭が下にあるような感覚になり不快と恐怖を感じます。

  2. 一般的な介護用ベットは適応慎重が170cm程度だそうです。
    寝ていただく位置は相対的に中央、ではなく、
    背もたれが曲がり始める位置が腰骨より10cm程度下に来る位置に寝ていただくのがBest。身長の低い方でも意外と上の方におられます。

  3. 足に使うクッションは臀部(坐骨)の下と足底に使用する。
    2,で触れたように意外と上方におられます。
    以前はベッドの足元を上げてから頭を上げる…と言われていましたが、足の長さが合わずにズルズルと下にずれてしまい、仙骨、踵に褥瘡を作る原因となってしまいます。
    そこで、臀部の下にクッションに座るようなイメージで使用します。同時に足の裏(土踏まず)を支えることにより、踏ん張りが聞くようになるのでずれにくくなるだけでなく食事が摂りやすくなるというメリットもあります。
    膝の下は元々隙間が開いている場所で、ムリに埋めなくても良いのです。

  4. クッションは体を支えるように使用する
    3、で触れたように寝た状態で隙間が空いているところは、ムリに埋めなくても良いのです。むしろ、普段から体重を支えている場所をサポートするようにクッションを使用します。
    見落としがちなのは【腕】。
    後に引いた姿勢でいるとのけぞる方向に力が入りやすくなり、顎が上がり、食事が摂りにくくなります。
    やや前方に位置するように支えて上げると首や肩の力も抜け、表情も和らぎ、食事も摂りやすくなります。

  5. 背臥位で臀部(仙骨)の除圧にナーセントパットを用いるときは
    「ハの字」で使用する
    体の線に対して真っ直ぐに入れてしまうと、一番除圧したい仙骨に体重が残ってしまうのです。仙骨をサポートするように斜めに入れることで除圧が可能になります。

 

これに加えて、除圧グローブ、スライドシートの使い方のちょっとしたコツ、生活環境、基本の基本の褥瘡形成要因も話していただきました。

 

忘れがちな圧抜き、大事です。
また、姿勢ケアを行ったあとの反応も大事です。
うまく行けば表情は柔らかくなり、循環が良くなり、呼吸も穏やかになるはずです。

 

アイ・ソネックス様のサイトでは動画も公開されています。 

www.nasent.net

 

貴重なお話、ありがとうございました。
今後のケアに活かして行けるように努力します。

必要物品が足らない現状もありますが。創意工夫も含めて対応していきたいと思います。