円背のご利用者の椅子

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突然ですが、高齢者の方々は色々な理由で円背になられます。

そんな円背高齢者ですが、色々な不便と苦痛を感じてらっしゃると感じています。

 

まずは、顔が前を向かないので、

・食事を食べたくても口に入れた瞬間にこぼれ落ちる

・会話をしたいのに声が届きにくい

・目も合わせにくい

さらに、

・息苦しさがでる

・食事を飲み込みにくい、むせやすい

ということが挙げられます。

 

また、お尻が前に滑り、腰で座るようなこと(仙骨座り)もあります。

そうなると、

・便秘がちになる

・褥瘡(床ずれ)の原因にもなる

・立ち上がりにくくなる

・転びやすくなる

ことにもつながっていきます。

 

動きたいのに動けないのはなかなかのストレスです。

そこで今回、ちょっとした工夫をしてみました。

 

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この椅子に座ってらっしゃいましたが、別の椅子にスポンジを重ねてみました。

 

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背もたれの腰のところが塞がっている椅子を準備して、腰の隙間を埋めてみました。

背骨が飛び出ているところが痛くないように背骨を両側から挟むようにスポンジをつけてみました。

 

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むき出しだとアレなので、簡易的なカバーをかけています。

 

数日後の食後にお邪魔しまして、写真を取らせていただきました。

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最初の写真と比較してみました。
おしりの前滑りは改善の余地がありますが、顔が前を向いています。
口も閉じやすくなり、食事をこぼされる量も少なくなりつつあります。

変形してしまった体を元に戻すには労力と苦痛を伴うことが多いです。
また、どれだけの労力と苦痛を持ってしても、
元に戻らないことの方が多いように感じます。
変形しないのが一番ですが、変形してしまった場合でも、
動きやすいように、生活しやすいようにできることがあります。

 

もう少し工夫して、更に動きやすくなられたら、
またご報告させていただければと思います。