ティルト&リクライニング型車椅子

【重度化が進んでいる】という言葉をこのブログではよく使っています。
では、【重度化】とはどのような状態でしょうか。

重度:(病気や心身障害などの)程度が重いこと*1

        + 

化:そういう物、事、状態に変える、または変わる(接尾辞*2

 

ということで、病気や心身障害などの程度が重い状態になる、という意味になります。

 

具体的には、ご自分でできていたことができなくなっていく状態を指します。

日常生活動作をはじめ、基本となる身体・精神活動も含みます。

 

日常生活動作では基本となる姿勢があります。
それは【座る】ということ。
【座位姿勢】が日常生活動作の基本になります。

 

イメージしてみてください。
食事、排泄、入浴、整容・更衣、趣味等の活動…。
椅子等に座って行うことがほとんどではないでしょうか。

 

座ることが難しくなる前に、立ったり歩いたりすることが難しくなります。
そうなると、「普通の」車椅子を使用していただく場面が増えてきます。

 


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こちらの車椅子に座ることができなくなられる時期がやってきます。
そうなるとベッド上の生活に、所謂「寝たきり」の状態になってしまわれます。

現在、健康寿命と平均寿命の間には約10年の開きがあると言われています。*3
健康寿命を伸ばして、穏やかに生活していただくために、当施設では

【ティルト&リクライニング型車椅子】

を導入しており、現在入所者の6割程度の方に使用していただいています。

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ティルト:座面の傾き
リクライニング:背もたれの傾き
それぞれ調整できる機能がついています。

実際に使用していただくと、

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活動時には標準多機能型の車椅子と変わらない程に体を起こすことができますが、

 

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休息時には座面と背もたれを傾け、休んで頂くこともできます。
(撮影のためアームレストを下げています。実際にはアームレストは肘の高さに併せて使用します。)

 

ご利用者が『自分で動きたい、いろいろなことがしたい。』と考えられたときに、少しでも活動的に過ごしていただけるように環境整備と介護技術の向上に努めていきます。